スターバックスはOMO時代のサードプレイスになれるか

スターバックスのサードプレイスが終わる日

スターバックスといえば、サードプレイスをとして広く愛され、ブランドの本は何冊も発行されるほど成功例として認識されている。

しかし、そのスターバックスに最近異変が起きている。

この記事では、スターバックスに起きている異変と、現在飲食業界を取り巻く大きな時代の流れについて書いていく。

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アフターデジタルのスターバックス

最近「2020デジタル元年」という見出しの記事を見た。

「アフターデジタル」という書籍にも書かれているように、
もう時代はOMO(Online Merges with Offline)であり一度デジタル化して
もうそれがオフラインと溶け込んで区別されるものではなくなってきたフェーズだ。

中国では、OMO時代のコーヒーショップ、ラッキンコーヒーが市場で大きな伸びを見せている。

ラッキンコーヒーのサービス

ラッキンコーヒーのサービスの大きなポイントは、事前にアプリをダウンロードしてオンラインで注文。店舗に行ってQRコードを提示するとすぐに受け取る事が出来る。

購入金額が55元を超えると無料で配送までしてくれる。

価格も25元(415円)なのに対し、ラッキンコーヒーのアメリカンコーヒーは類似サイズで1杯21元(349円)で、店舗数も2019年スターバックスを上回るペースで出店している。

中国はデリバリー専門のコーヒーショップが多く、
空間を楽しむよりは、コーヒーは届くものと考える人も多い。

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サードプレイスを重要視するスターバックス

スターバックスは以前から、自分たちはコーヒーを楽しむ「サードプレイス」であるとしてブランドを作り上げた。

ゆったりと出来るよう机も大きさを一定以上のサイズに統一しており、照明から音楽までコーヒーを楽しめる場で有ることを最優先して作られている。

以前、大人気のフードがあったのだが、チーズの香りが強過ぎて店内にその香りが充満してしまいコーヒーの香りが阻害された。売上としては大きなものだったが「コーヒーの香りを阻害するなら辞めてしまえ」とその商品の扱いを取りやめたことすらある。それほどまでに、スターバックスは「コーヒーを楽しむ空間」の提供に全力を注いでいた。

近年は中国においてもラッキンコーヒーの、そしてOMO市場の成長を感じながらも、焙煎所を併設したフラッグシップ店舗の開発・展開など、リアル場にこだわりを見せていた。

スターバックスのOMO戦略

2018年にはすでにアメリカのスターバックスは約半数がドライブスルーとデリバリーが占める結果となっている。店舗半数、残り3割はドライブスルーであり約8割が一応店舗を介している。

しかし、今後はデジタルも含めた最高の顧客体験をしていくとスターバックスも名言している。アメリカと同様の流れは現在日本でも進んできている。

郊外のドライブスルー併設の巨大店舗は増え、ウーバーイーツにも参加してプロモーションも力を入れている。配送料無料のキャンペーンのときなんかは店舗に10個もウーバーイーツの配達員向けの紙袋が並んでいたほどだ。これからは、アプリを使った事前予約システムすらも普及するかもしれない。

もともとOMOとはデジタルとリアルどちらでも同じ様な顧客体験を出来るようにすることを指す。とはいえ、店舗で感じられるコーヒーの香りや音楽、徹底した社員教育で培ったホスピタリティー、なにより「おしゃれな空間でコーヒーを楽しむ自分」を感じさせることが果たしてデジタルで、配達で出来るのか。

スターバックスはOMO時代において、自社のブランドをどう構築していくかいまその戦略次第ではスターバックスは苦戦を強いられるだろう。

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ブランドと憧れのブランド

ブランドというと「ブランド物」という言葉が先行して「高く高給なもの」「貴重なもの」というイメージで使いがちではあるが、マクドナルドも吉野家も立派なブランドだ。

赤に黄色の文字でMと書かれていたらどんなフォントでもマクドナルドを思い出すだろうし、オレンジ色の看板を見たら無地でも吉野家を思い出すかもしれない。

このどちらも立派な「ブランド」である。

しかし、彼らが持つブランドは吉野家の「早い・安い・うまい」に代表されるようなものであり、その価値は決して高給レストランの様に「特別な日に連れていてもらって嬉しくなる」ブランドではない。

車の例で言うと、プリウスは素晴らしい車であり販売台数トップのブランドだが、ベンツやBMWの様にいつか頑張って手に入れたいと若者が思う車のブランドではない。これがブランドと、憧れのブランドの差だ。

ちょっと話は逸れるが、昭和の時代高級車は黒であり「クラウン」は社長の乗るような社用車として使われていた。1968年にこのクラウンを一般層に向け訴求する広告が作られた。それが「白いクラウン」という広告だ。

引用:https://www.ndc.co.jp/works/toyota-crown-1968/

もし、これを「クラウン for 庶民」というコンセプトで売り出されていたらたちまちクラウンに対するブランド価値を感じなくなりこの金額は高く感じただろう。

これを、黒のクラウンは社用車だけど、自家用車のクラウンは白です。最高峰の自家用車として白いクラウンはどうですか。ちなみに、黒よりかは安いですよ。という誘い方にすることで、クラウンという憧れのブランドを維持したまま上手く一般層向けに広げていったのだ。

スターバックスというブランドも、他のコーヒーショップに比べると憧れに近いブランドを確保してきた。それが、配送に乗り出した時、そして他社が配送に力を入れてきた時に差別化が難しくなる。

味だけで勝負すると、他のコーヒーショップブランドもかなり美味しいし、セブンイレブンなどのコーヒーすらも競合になってくる。これに価格競争が加わるのだから現在の価格設定だとスターバックスは不利だろう。

それを高いする1つの解としては、定期的に店舗を利用してもらってブランドへのロイヤルティを高め続けることだと思う。しかし、OMO的に考えるとこれはオフラインに頼った施策であり本質的な解決策ではない。

コーヒーショップのブランドリーダーはこれからどこへ進むのか、スターバックスの戦略から目が話せない。

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